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【普通の人のSDGs入門】SDGsの成り立ちを考える。

普通の人のエコロジー!


エコロジーオンライン というNPO法人を始めて23年が経ちました。


この活動は「普通の人のエコロジー」というネット上の小さなプロジェクトが進化したもの。ここまで長い活動になるとは思いもよりませんでした。


その当時、地球環境問題を専門的に研究する大学の研究室やNPOなどの存在はありましたが、レコード会社を辞めたばっかりの「普通の人」がフィットするような団体はありませんでした。そこで普通の人たちが参加できる団体をつくろうと思い、自分がいた業界に近い音楽や漫画などのエンターテインメントの力を活用し、クリエイターやそのスタッフの皆さんと一緒に活動してきました。そのおかげでここまで長く続いてきたのかなと思います。


この連載のテーマであるSDGsについてもまったく同じことが言える。いや、自分が関わってきた環境問題以上に「普通の人」が関わりづらいものになってるんじゃないかと思います。多くの人がSDGsという言葉は知っているけど、何をして良いのかわからない、それが現状ではないかと思います。

2年半にわたって「教えて!SDGs」のコーナーを全国ネットのエフエムで担当
2年半にわたって「教えて!SDGs」のコーナーを全国ネットのエフエムで担当

SDGsの成り立ちを考える。


SDGsについて教えて欲しいという他団体の相談を受けて意見交換をしたことがありますが、自治体から事業を受託していて、SDGsについて取り組んで欲しいと言われ、困惑しているということでした。

 

 

実際にどんなことをやりなさいと言われたの?と聞くと、「紙は再生紙にしなさい」「プラスチックゴミを出さないようにしなさい」とか言われたらしく、SDGsはよくわからないし、怖い!」というのが本音だというんです。

 

 

この団体は依存症で苦しむ人たちを支援する活動をしていて、「誰一人とり残さない」というSDGsの大命題の解決に長く取り組んでいる団体です。「あなたたちこそSDGsの精神を体現しているんですよ。小さなことを気にかけず、自信を持って取り組んでください!」と励まして事務局を後にしました。

 

 

エコロジーオンラインよりも長い歴史を持つ団体はSDGsについて萎縮し、反対にエコロジーオンラインは当たり前のように取り組んでいる。一体、この違いって何なのでしょう?

 

 

日本では8割以上の人が知っているSDGsですが、世界では日本ほど知られていません。そのかわりにサステナビリティという言葉が使われます。SDGs(サステナブル・デベロップメント・ゴールズ)を日本語に訳すと「持続可能な開発目標」、サステナビリティは「持続可能性」と訳されます。国際社会の持続可能性を向上させるために国連がつくった2030年までの目標がSDGsということになります。国際社会は2030年で終わりませんから、その後もサステナビリティが重要になります。

 


エコロジーオンラインが関わってきた環境問題の分野ではサステナブルという言葉は当たり前に使われてきました。サステナブルエナジーと言えばCO2を出さない持続可能なエネルギー、サステナビリティレポートと言えば、持続可能な社会の実現に向けた企業の活動についてまとめた報告書といった具合に慣れ親しんできました。一般の皆さんがサステナビリティと言われてもピンと来ないと思いますし、社会を持続可能にするためのコンセプトをひとまとめにしたSDGsについてはさらにハードルが高いものです。

 


それは自治体の職員も同じです。SDGsのために何かやろうと考えると、再生紙を使ったり、ゴミを減らしたり、省エネをしたりするという身近な環境問題での対応でお茶を濁しやすいわけです。

 


貧困やジェンダーという重要なSDGs事業に関わる皆さんもSDGsの成り立ちがわからないので他の人の言葉で右往左往してしまうわけです。

 



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【普通の人のSDGs入門】「環境か経済か」から「環境も経済も」へシフトチェンジ



文 / エコロジーオンライン理事長 上岡裕

4年にわたって続けている宇都宮短期大学の高校生たちへのSDGs講演とワークショップ
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