ニホンイタチ / Japanese weasel
ニホンイタチってどんな動物?
日本には、ニホンイタチとシベリアイタチが生息しています。
今回取り上げるのは、ニホンイタチ。シベリアイタチと比べると体は一回り小さく、尻尾が短いのが特徴です。
このシベリアイタチとの生存競争に負けてしまったために、生息数が減り、絶滅危惧種になってしまったと言われています。
↓シベリアイタチについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
平均寿命は1.9歳。シベリアイタチと同じく、とても短いですね。
体長は、オスが27-37cm、メスが16-25cm。
尾の長さは、オスが12-16cm、メスが7-9cm。
体重は、オスが290-650g、メスが115-175g。
こんな感じで、オスとメスで体の大きさにかなりの違いがあります。
一夫多妻制で泳ぐことも得意。川や湿地など、水辺に近い場所に生息しています。
主に食べるのはネズミや鳥類、両生類、昆虫、魚類など。植物も食べます。
魚を捕らえる貴重な動画がありました。埋め込みができないようなので、気になる方は下のリンクから見に行ってみてください。(YouTubeへのリンクです)
「日本の動物 魚を襲うニホンイタチ」
https://youtu.be/R2AGcS2xeKk?si=vS22EJnax79Hy8_V
「日本の動物 水中(underwater)で魚を捕食するニホンイタチ」
イタチといえば、2本足で立って周りを伺う姿が印象的です。かわいいですね。
ここでイタチが関係している言葉をひとつ。
みなさん、太陽の光が眩しい時に、手を目の上にかざして遠くを見たことがありますよね?
イタチが人を見る時にも同じ行動をするという俗信があり、そこから、疑わしげに人を見るようすを「鼬(いたち)の目陰(まかげ)」と言うようになったそうです。
日本固有種のニホンイタチが、沖縄県では侵略的外来種に?!
ニホンイタチはもともと、本州、四国、九州などに分布していましたが、農業被害などをもたらすネズミ類への対策のため、北海道や伊豆諸島南部、南西諸島、沖縄県などに導入され、今では日本全域に分布しています。
沖縄県のいくつかの島では、ニホンイタチが導入されたことで、在来動物の個体数が減少・絶滅してしまった可能性があるということも言われています。
稀少な爬虫類や両生類が捕食されており、沖縄県では、ニホンイタチが生態系に重大な悪影響を及ぼすとして、「沖縄県対策外来種リスト」の中でも優先順位の高い「重点対策種」として指定。
さらに、シベリアイタチと同じ「日本の侵略的外来種ワースト100」にも指定されています。
<ここでちょっと解説>
■日本の固有種がなんで外来種になるの?
外来種とは、人間によって生息していない地域に持ち込まれた生き物のことです。
外国から日本へ持ち込まれた生き物だけでなく、例えば本州から北海道へ、北海道から九州へ、、
といった具合に、日本国内の島から島へ運ばれた生き物も、外来種ということになります。
そのため、日本の固有種であるニホンイタチも外来種になることがあります。
■「沖縄県対策外来種リスト」とは?
沖縄県では、島ごとに多くの固有種が生息しており、日本全体の中でも生物多様性の高い地域です。
そこで、沖縄県固有の生き物、そして人や農林水産業などを守るために「沖縄県対策外来種リスト」というものを出しています。
コピー・イラスト / kawe