米CBSニュースが様々な理由から絶滅を危惧されるマダガスカルのキツネザルの現状について伝えている。
30年にわたってマダガスカルの森の中でキツネザルを研究しているパトリシア・ライト博士によれば、彼らは人間と同じようにアルツハイマー、糖尿病、肥満などの病気にかかる。
そのため、2年ほどの命しかない実験用のマウスでは難しい長期的な病気の観察が可能だ。アルツハイマーに関しては20年にわたって観察できる体制をマダガスカルで整えてきた。この研究から新しいアルツハイマーの薬ができることも期待されている。
彼女の研究の場となるのはラノマファマ国立公園。国立公園から外を見渡すとキツネザルが生息する森の95%が焼き畑農業などで失われてきた。
そこに追い打ちをかけるのは異常気象だ。
ここ最近、マダガスカルは巨大なサイクロンや厳しい干ばつ、激しい雨などに襲われ始めた。雨季がこれまでのように訪れず、乾季が長期化。すべてはバランスを失ってしまったのだと言う。
特に今年はキツネザルのエサとなる果実に花が咲かなかった。子どもを育てるのに十分な栄養をとることができなくなり、6ヶ月以上生きのびるキツネザル子どもの比率は70%から47%に減少している。
マダガスカルは炭鉱のなかのカナリア
そう語るライト博士。
この島の自然はか弱く、気候変動がより大きなインパクトを与える。この島に起きていることは世界に対する警告とも言えるのだ。
<参照リンク>
Extinction of lemurs would have huge implications for humans, scientists say
翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部
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