ダーウィンギツネ / Darwin's fox
ダーウィンギツネの特徴
ダーウィンギツネは、その名の通り「チャールズ・ダーウィン」によって1834年に発見され、名付けられました。
チリにだけ住んでいる、チリの固有種です。
ふさふさのしっぽと、三角形の大きな耳を持っています。
体の大きさは約53cm、尻尾は約22cmとかなり小柄で、オスもメスも体の大きさはあまり変わらないようです。
足は短いので、胴の長さが実際より長く見えるんだとか。
ダーウィンギツネはキツネじゃない?!
実は、ダーウィンギツネは本物のキツネではありません。
ダーウィンギツネは、アカギツネやホッキョクギツネなどが属するキツネ属ではなく、スジオイヌ属に属しています。
スジオイヌ属は、オオカミやジャッカルに近い種です。
ダーウィンは、彼らを発見した時に自分の名前をとって「ダーウィンギツネ」と命名しましたが、後に研究をした結果、キツネではないと分かったという話があります。
それでも、ダーウィンが「キツネ」と言うのなら、オオカミだろうと「キツネ」なのです。
↓ダーウィンギツネの鳴き声は、こんな感じです。(※びっくり注意)
少し犬の鳴き声にも似ているかもしれませんね。
ダーウィンギツネの生態
ダーウィンギツネは雑食で、昆虫やナッツ、フルーツや腐っている肉まで、消化できるものならなんでも食べます。
そして好奇心が強く、人間を恐れません。
↓こんな風にカメラマンがいても、あまり気にしていない様子です。
ダーウィンギツネは基本単独で行動し、自分たちの縄張りを守ったりもしません。
オスもメスも、生活範囲に他のキツネがいても何も気にしないようです。
ピューマや猛禽(もうきん)類などの天敵がいない限り、住んでいる地域では食物連鎖の頂点に立ちます。
なぜ絶滅危惧種になってしまったの?
彼らが絶滅危惧種になってしまった原因としては、
光沢のある上質な毛皮を目的として狩られてしまうこと
伝染病にかかって死亡してしまうこと
さらにはその伝染病を家畜にうつされることを恐れた農家などによって撃たれてしまうこと
などによるものだと考えられています。
チリでは、ダーウィンギツネを守るために生活環境を整えたり、ワクチンを打つなどの保護活動が進められています。
2021年には、639匹の大人のダーウィンギツネが確認されています。保護活動により今のところ数は安定しているようですが、いまだに絶滅の危機にさらされています。
コピー・イラスト / kawe