ご協力いただいた方々や現地の知人達から、とても貴重なコメントや指摘をいただきました。

• 消毒ジェルは貴重な物資なので、医療従事者向けに残しておくべきでは？
• 大都市では、罰則付きでマスク着用義務が課されたため、各自（家族）が作ったマスクを使用するなどして、少なくとも検問があるところでは、ほぼ100%の住民が外出時にマスクを着用している。
• 地方都市では、田舎であればあるほどマスク着用を嫌がる傾向があるので、マスク着用者はほとんどいない。また、手洗いやマスク着用によって感染症を予防するといった知識や衛生観念自体が不十分なため、モノを配るだけでは十分な感染予防にならない。
• 大都市でのロックダウンの影響で物流が影響を受け、大都市と地方都市の双方で生活必需品（米、食用油、砂糖、洗濯用石鹸、手洗い洗顔用石鹸など）の価格が高騰している　等

これらを踏まえ、少し活動内容を変更します。

• 消毒ジェルの代わりに、マスクと併せて手洗い用せっけんを配布します。
• 手洗いや感染症対策に関する啓発活動を行ってから、マスクと手洗い用せっけんを配布します。
• 感染の拡大・収束状況によっては、感染予防物資よりも生活必需品の支援が住民に求められている可能性もあるため、支援の内容は柔軟に変更します。現段階では、マスクと手洗い用せっけんの配布を予定しています。

資金や現地スタッフ数などの制約があり、すべてのご意見を反映することはできませんが、上記のように一部のご意見は活動内容に反映させていきたいと考えています。何かコメントやご指摘があれば、ぜひメッセージをお寄せください。

5月16日には、マダガスカルにおけるCOVID-19の累積感染者数は304人に急増し、これまで重篤者はいないとされていましたが、初の死者も発表されました。それに先立ち、5月16日マダガスカル全土における「国家保健緊急事態」の15日間の延長も発表されています。

5月17日、大統領によって、トアマシナがクラスター化していること、今後さらにアンタナナリボ、トアマシナ等での都市封鎖を厳格化すること、諸々の規制措置の対象をアロチャマンゴロ県にも拡大することが発表されました。私見ですが、これまでの緩い都市封鎖の中で、既にウイルスはアロチャマンゴロ県を初めとした地方都市に持ち込まれている可能性が高いと思います。そうした状況で、地方都市での感染拡大を防ぐためには、地方都市の住民自身がマスク着用や正しい手洗いで自己防衛するのが最も有効な手段だと思います。地方都市の方々は、「明日の食べ物」を得るために働きに出ざるを得ない方も多いので、日本や欧米と違ってstay homeは現実的ではないと思います。

クラウドファンディングプロジェクトの第一弾の活動として、近日中にアロチャマンゴロ県にて、マスク等の感染予防物資の一部を配布します。引き続き、協力者を募集しておりますので、どうぞご協力をよろしくお願いいたします。

文 / 白石拓也