いよいよ国際シンポジウムの当日。
里山エネルギー普及に共感する仲間たちがマダガスカル各地から集まって来ました。
エコロジーオンライン大和田事務局長が、日本と途上国をつないで実施する里山エネルギープロジェクト、マダガスカルに生まれた「里山エネルギースクール」を紹介するところから、シンポジウムはスタートしました。
【リリース】マダガスカルでバイオガスの国際シンポジウムを開催
現地メディアがシンポジウムを大々的に報道
その後、マダガスカル事業に精通したアドバイザーの白石氏が、これまでに関わった事業の知見や人脈を生かし、バイオガスの普及や商業化の可能性を探る取り組みを進めていくことを紹介しました。続いて、ディレクターのフェトラ博士が、バイオガスの原理・活用、マダガスカルでの展開可能性を紹介。最後に、サッチョン教授から、タイ型バイオガス・ダイジェスターの説明と、タイでの農民の生活へのインパクトに関する研究を紹介しました。参加者から質問が相次ぎ、活発な議論が行われ、バイオマスへの関心の高さが見て取れました。
東南アジアのバイオガス普及の立役者、サッチョン教授が参加
シンポジウムに2日目はバイオガスプラント設置のワークショップです。マダガスカル首都アンタナナリボ近郊のイラフィにて、バイオガス・ダイジェスターの設置デモンストレーションを行いました。前日のシンポジウムにも参加したロバソア小学校の校長や教員、大学の研究者たちが見守るなか、タイで調達した資材を使って、サッチョン教授とフェトラ博士の指導の下、マダガスカルミライのスタッフがダイジェスターを設置しました。ダイジェスターを設置している間、一部のメンバーは、JICAのコメ増産プロジェクトの専門家チームの事務所を訪問。当バイオガス事業に関する意見交換を行いました。
11/16
マダガスカル訪問の最後にはチンバザザ動物園を訪問。同動物園と仙台市の八木山動物園が実施するJICA草の根技術協力プロジェクトの関係者と意見交換。マダガスカルに関わる日本人同士の交流を活性化し、今後の事業を深めていく意見交換となりました。
里山エネルギースクールが生徒の増加に貢献
今回の訪問で里山エネルギースクールのロバソア小学校が40名にまで減らしていた生徒数を100名にまで戻したことを聞きました。私たち日本人が持続可能な方向性を持った教育を提供する事で具体的な成果が出て来たことは大きな励みになります。
一方、バイオガスのモデルプラントはこれから本格的な稼働に入ります。このプラントからしっかりとメタンガスを生み出し、調理用の燃料として活用していくまでをフェトラ博士を中心に支援していきます。また、もう一つのエネルギー源であるモミガラ、オガクズなどの有機廃棄物を活用したエコ燃料づくりを指導するワークショップは来年4月を予定。エコ燃料とバイオガスを中心にマダガスカルでの人材育成を進めて行くことになります。
この事業を続けるためには皆さまのご支援が不可欠です。引き続き、ご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします。
里山エネルギープロジェクト事務局
エコロジーオンラインの里山エネルギープロジェクト / Project Satoyama Energyでは、この活動を通して森を破壊しない「里山エネルギー」を広げるリーダーを育てていきます。彼らを中心に途上国において薪や炭を大量に消費する従来のエネルギースタイルからの脱却を促し、循環型エネルギーの有効性を広め、地域社会に森の再生を呼びかけていきます。