今回のマダガスカル訪問の大きな目的は、森を破壊しないエネルギー開発を、現地の皆さんに学んでもらうネットワークづくりです。
実際にエネルギー開発を手がけてくれる人たちを育て、小さな雇用までつくりたいというのが最初の目標ですが、それとともに子どもの頃から自然や森の大切さを教えることを里山エネルギースクールで手がけます。
サカイ市に里山エネルギースクールが誕生!
昨年、里山エネルギー株式会社として、森を守る小さなエネルギー開発の事業化の可能性を調べるために国際協力機構(JICA)の事業で訪問したマダガスカル。その際に青年海外協力隊で働く女性から支援をして欲しいと頼まれたのがサカイという町にあるロバソア小学校でした。
資金的な支援だけでは一方通行になりがちであることから、里山エネルギースクールを通して子どもたちに森を守るエネルギー教育をして欲しいという条件付きで支援することを提案。トヨタ自動車環境活動助成のサポートのもと、クラウドファンディングを通して集めた里山エネルギー機器と文房具を日本から持参しました。
ロバソア小学校の先生たちとの意見交換の結果、その場から里山エネルギースクールとしての活動を始めることを決めました。
そのためにまず、学校内で肥育されている牛、豚、鶏の糞尿をエネルギーに変えるバイオガスプラントの設置を手がけることにしました。11月には子どもたちの環境教育に活用してもらう教材とともに、バイオガスの導入することで地域の緑化につなげていく青写真を持って、もう一度、訪問することになりました。
すでにロバソア小学校の先生の一人から、自分の家でバイオガスプラントをやりたいとの声もあがり、里山エネルギースクールから森を破壊しないエネルギーづくりの流れができあがりそうです。
11月にはアンタナナリボで国際シンポジウムを実施
アンチラベ、ソアヴィナンディア、サカイと続いた旅は終わり、首都のアンタナナリボに戻りました。
この旅のあちこちでマダガスカルの農業に関わる人々との交流があり、バイオガスのポテンシャルが高いことが理解できました。アンタナナリボではこの活動の中心となってもらうマダガスカル・サービスの皆さんと意見交換。里山エネルギースクールを支援するNGOの立ち上げと、11月にバイオガスを中心とした国際シンポジウムを開き、バイオガスプラントづくりのワークショップを実施することを決めました。
次の訪問には日本だけでなくタイのバイオガスの専門家も同行する予定になっています。
さていよいよ最終日。
この日はアンタナナリボの在マダガスカル日本大使館と、JICAマダガスカル事務所を訪問。マダガスカルにおけるバイオガスを中心とする里山エネルギーの普及事業についてご報告をしました。秋に予定する国際シンポジウムの際には大使館で記者発表をすることも提案していただきました。
トヨタ自動車を始め、多くの人に支えられて実施した今回のマダガスカル訪問は無事成功に終わりました。この成果をベースにして次の訪問の具体的な絵を描いていきます。
里山エネルギープロジェクト事務局
エコロジーオンラインの里山エネルギープロジェクト / Project Satoyama Energyでは、この活動を通して森を破壊しない「里山エネルギー」を広げるリーダーを育てていきます。彼らを中心に途上国において薪や炭を大量に消費する従来のエネルギースタイルからの脱却を促し、循環型エネルギーの有効性を広め、地域社会に森の再生を呼びかけていきます。