エコロジーオンライン読者の皆さま、こんにちは。
マダガスカルで里山エネルギー活動を担当している浅川です。
昨夜(4月19日)ラジョエリナ大統領から首都のアンタナナリボ、トアマシナ及びフィアナランソアのコロナの状況及び対策などが発表されました。
途上国のコロナ対策を知る参考になると思いますので簡単に記しておきます。
1)3月21日に始まった非常事態は引き続き今後2週間延長する。
2)感染者は昨日(19日)現在までの感染者合計111名、重症者・死者なし、回復者39名
3)本日(20日)から下記のように業務・営業再開が許可になる:
・省庁、役所:市民生活などに必要な最小限の業務:月-金の08-13時
・銀行金融機関:月-金の08-14時
・学校(小中高お呼び大学):引き続き閉鎖継続、但し進学試験クラスは学年により、4月22日又は27日より授業再開
・一般企業、商店など:06-13時までの間
4)夜間外出禁止:21時ー翌朝04時(以前は20時―翌朝04時)。違反者は処罰対象。
5)交通機関:市内に限り本日より路線バス(18名限定)、タクシー(3名限定)が夜間を除き解禁。郊外行きのタクシーブルースは引き続き禁止(都市封鎖継続中のため)個人、企業などの車両は1台につき運転手を含め4名の乗車が可能。いずれもマスク着用のこと。違反者は処罰対象。
★コロナ治療薬、薬草「Artemisia」を原料とした飲み薬「Covid Organics」がIMRA(マダガスカル応用研究所)で開発中、先週Anosoala 及び Andohatapenaka病院にて臨床試験実施、本日から外国の研究機関にて試験を行う予定です。
以上のように感染者は微増してはいますが、マダガスカルの非常事態対策はかなり厳しく行われており、早い時期に解禁になるものと期待しています。
育ち始めたエコロジーオンラインの森
私たちの住むアンタナナリボはコロナで都市封鎖中ですが、政府の対策本部から2回特別移動許可を取得してサカイ市、里山エネルギースクールのロバソア小学校及び周辺村落に行ってきました。
2月始めに植林した2500本のアカシアは90%ほどが無事育っていました。枯れたものはコロナ明けに新しい苗と交換する予定です。
途中の村落「Antsahavelotra」(アンチャハベルチャ)では子どもたちが日本語で「こんにちわ」と挨拶してくれうれしくなりました。次には村民が集まってきて村内を案内してくれました。
この村には桐の木が多く、なかには直径30㎝程の桐もあり意外でした。案内してくれた人によると植えてから3~4年ほどとのことで早生桐の一種かもしれません。まわりはほとんどハゲ山で煮炊き用燃料にと成長が早い桐を植えたということです。
桐の成長には牛糞が効果的と言われていますが、村内にはやはり30頭以上の牛が半放牧状態で飼育されており、私たちが手がけるバイオガスプラントによる支援の可能性もあり、この地域が桐の栽培に適しているか調べてみる価値がありそうです。
また、稲作も盛んで村の広場は廃棄されたもみ殻の山になっており、こちらもエコ燃料づくりに適していそうです。
ロバソア小学校もアンタナナリボ同様にコロナで閉鎖していましたが、27日から進学クラスに限って再開しています。上記の村でも何人かの子供たちが通っているようです。
そのなかでSahaza(サハザ)さんという女の子は、昨年までロバソア小学校に通っていましたが、進級試験に合格して今は6年生(中学1年)。近くのカレッジで勉強しているとちょっと自慢そうでした(地方では中学に入れる子供はまだ少ない)。
コロナで重症者や死者が出ていないことから、地方では怖がる様子は見かけませんが、子供たちは早く学校に行きたいようです。
昨年、ロバソア小学校に植樹した「ラビンサラ」は、その後枯れそうな時期もありましたが、村民の手当てが良いのかすっかり元気になりました。
ラビンサラは風邪などにもよく効くようで、エッセンシャルオイルは香りも良く日本でもマダガスカル製が販売されています。今度はアカシアだけでなく、桐やラビンサラなど、商品価値のある樹木の植林して行きたいと思います。
レポート・写真 / エコロジーオンラインマダガスカル代表 浅川日出夫