ホッキョクの氷が減少すると「地球温暖化」が加速すると言われている。
氷によって反射していた太陽光を露出した海水が吸収し、ホッキョクの海水温が上昇する。その結果、地球の温暖化が進んでいく。
そういう意味では今年のホッキョクは安定している。過去10年と比較して氷の面積が最も充実しているのだ。
だが、この状態がホッキョクの海底に眠るメタンを大量に排出させると懸念する声がある。
METHANE WARNING
— Thomas Reis (@peakaustria) August 27, 2022
Copernicus forecasts high levels of methane over the Arctic on August 28, 2022 18:00 UTC at 500 hPa.
A large abrupt methane release could double the methane in the atmosphere.
2022/08/dangerously-large-arctic-sea-ice-extent.html
via @SamCarana pic.twitter.com/o4Ghmnw5Rx
海氷に覆われているホッキョクからメタン!?
ホッキョクの海氷や気候変動について伝えているArctic Newsによると、温暖化傾向のなかで海氷の面積が増えることによって次のような影響があると分析。大量のメタン放出の危険性があることを指摘する。
①海氷がシールのような働きをする。
海氷の面積が広くなると海水と大気の間のシールのような役割をして、海水の熱が大気に伝わることを防いでしまう。そのため海水が温かいまま滞留し、メタンの放出を加速させてしまう。
②北大西洋のフレッシュウォーターの存在
ジェット気流の変動によって水分の蒸発が進み、雨が増え、氷河の融解が進んでいる。その結果、海面に冷たい真水の層ができて塩分を含んだ温かい海水がその下に潜り込み、メタンハイドレードのメタンを放出させてしまう。
③海氷の厚さが減少
海面を覆う海氷の面積は増えたものの氷の厚さが減少したため、海水の熱を取り去ることができず、メタンの放出に貢献してしまう。
大気中のメタンの濃度はCO2と同様に高まっている。
シベリアの凍土の下に眠っている有機物が温暖化によってメタンを放出する事態に至ることは地球にとっての❝時限爆弾❞だと表現されてきた。
ホッキョク海に眠るメタンハイドレードも同様の効果をもたらすのだろうか。今後の研究を待ちたい。
Dangerously large Arctic sea ice extent
翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部