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不可逆的に進む気候変動 転換点を迎えた5つの現象

 NASA Goddard Space Flight Center / CC BY 2.0
NASA Goddard Space Flight Center / CC BY 2.0

地球はすでにいくつかのティッピング・ポイントを越えてしまったのではないかと訴えた論文が話題になっている。
Exceeding 1.5°C global warming could trigger multiple climate tipping points

ティッピング・ポイントは、そのポイントを越えると不可逆的に進行し、勝手に事態が転がってしまう地点を意味する。一つの事態がティッピング・ポイントを迎えることで、他のティッピング・ポイントが連動する可能性もあるのだ。

今回の論文で研究者たちは、新たにわかった古気候や観測のデータ、気候モデルを基盤とする研究をもとにティッピング・ポイントを見つめなおし、新たに提案されたティッピング・エレメント(不可逆的に変化する事象)を加え、気候変動に関連する事象などの検証を試みている。

その結果、ティッピング・ポイントを越えた可能性がある事象が5つ見つかった。

グリーンランドの氷床の崩壊、南極西部の氷床の崩壊、熱帯のサンゴの白化、北極圏の凍土の急激な融解、ラブラドル海の海流の崩壊は、1.5℃の気温の上昇を待たず、すでに起きた1.1℃の上昇でティッピング・ポイントにさしかかったのではないかとしている。

いくつかの事象がティッピングポイントにさしかかったからと言って地球が終わるわけではない。

だが、世界の国々が温暖化を止める努力を怠れば、他のティッピング・エレメントが追い打ちをかけ雪崩のような状態になる事態も招きかねない。

世界中で気候被害が起きていることを考えると、気候変動の悪化を否定する人はいないとは思うが、その危機意識をどう脱炭素の具体的な動きに変えられるかは未知数だ。

パリ協定の履行に向けて世界が一つになることを期待したい。

World on brink of five ‘disastrous’ climate tipping points, study finds

翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部

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