Fertilizing (potato?) fields near Ardullie by Tim Heaton, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

グローバル・カーボン・プロジェクトの新しい報告書によると、人間が作り出した温室効果ガスの中で3番目に重要な亜酸化窒素の排出量は、1980年から2020年にかけて40％増加したという。Earth System Science Data誌に発表されたこの最近の研究は、亜酸化窒素が人類史上最も早く地球の大気中に蓄積していること、そして現在の増加率は過去80万年の間でおそらく前例がない規模であると明らかにした。

亜酸化窒素（N₂O）は長寿命で強力な温室効果ガスであり、産業革命以前の時代から大気中に蓄積され続けてきた。N₂Oの人為的な排出は、主に農地や牧草地に窒素肥料や家畜の排泄物を散布することから生じる。

N₂Oは、二酸化炭素やメタン（2つの主要な人為的温室効果ガス）よりも大気中に存在する量ははるかに少ないが、その地球温暖化係数は、100年間の規模で見ると二酸化炭素の約300倍にもなる。また、N₂Oは強力なオゾン層破壊物質でもある。

調査によると、1980年以降、N₂O排出量が最も増加したのは中国であり、ヨーロッパからの排出量は減少し、米国からの排出量は比較的安定しているという。

 N₂Oは二酸化炭素に比べれば地球温暖化への寄与は小さいが、もしN₂Oの排出が現在のペースで続けば、気候目標を達成することが困難になる可能性がある、と研究著者らは述べている。

N₂Oの人為的排出を削減するには、大きな課題がある。それは、世界の食料安全保障にとって肥料は不可欠であるということだ。N₂O排出量の大部分は、土壌や海洋など、人間がコントロールできない自然由来のものが占めている。現在のところ、N₂Oを大気から除去する技術はないため、N₂Oの増加速度を遅らせる唯一の方法は、人為的なN₂Oの排出を減らすことであると昨今の研究では強調されている。

「社会は地球温暖化を抑制するために、私たちの管理下にある温室効果ガスの排出を削減するよう、抜本的な措置を講じる必要があります」と研究共著者のシン・ラン氏は語った。

亜酸化窒素による問題は、近年の二酸化炭素やメタンなどによる環境への影響と比較してしまうと、特段差し迫った状況ではないのかもしれない。しかし、手遅れになる前に少しでも多くの企業や団体、人々に周知させるべき問題であることは間違いないだろう。

 ※この記事は、一部AIを使用しています。 

＜参照リンク＞

Nitrous oxide emissions grew 40 percent from 1980 to 2020, accelerating climate change

翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部（一部AIを使用）