"pygmy bluetongue lizard" by Antoni Camozzato is licensed under CC BY-NC 4.0.
30年以上絶滅したと思われていたトカゲが、オーストラリアにあるアデレード郊外のとある場所でひっそりと暮らしている。
しかし、気候変動により、このトカゲが永遠に姿を消してしまう可能性があると言われている。
アデレードアオジタトカゲ(Tiliqua adelaidensis)は、オーストラリアとその周辺の島々に生息するアオジタトカゲ属(Tiliqua)の1種であり、このグループの中では青い舌を持たない数少ない種である。1950 年代には絶滅したと考えられていたが、単純に身を潜めていたため発見されなかったようだ。その隠れる能力は、研究者から「かくれんぼのチャンピオン」と呼ばれるほど。
1992年に再び発見されたものの、その数は多くなかったため、絶滅危惧種に指定された。
アデレードアオジタトカゲは、南オーストラリア州中部の数カ所で生息が確認されている。しかし、気候変動によって彼らの生息地は暑さを増しており、今後数十年以内に住めなくなる可能性が高くなっているという。さらに、今後50年で絶滅の危機に瀕してしまうとも言われている。
これを受けて研究者たちは、この種が新しい環境で生き残れるかどうかを確かめるために、より緯度の高い場所に新しい生息地を設定した。
「アデレードアオジタトカゲの生息域の北端では気温が上昇し、個体数が減少する可能性があると予測されています。北のトカゲの個体群を南に移動させることが、この種を保護する最も可能性の高い方法だと判断されました」と研究者のトレワーサ氏は言う。
フリンダース大学のチームは、移転されたトカゲが新しい環境でどのように暮らしているかを監視してきた。今年4月に『Animal Conservation』誌に掲載された研究によると、新しい生息地に移されたトカゲは問題なく暮らしているという。
気候変動による生物の移入には批判がないわけではない。
2008年、ある報告書が気候変動による移入の考えを広めて以来、科学者たちは激しい論争を繰り広げてきた。
西オーストラリア大学の生理学的生態学者ニッキー・ミッチェル氏は、人為的な問題によって危機に瀕している生物を移入させることに非常に熱意を注ぐ科学者もいると指摘する。
「しかし、侵入生物を研究している生態学者からは、これは非常に危険なことだという反発もあります」と彼女は言う。
新しい生息地に移入された種が大混乱を引き起こしたという恐ろしい話は多くあるのだ。
「気候変動の脅威だけでなく、他の脅威(新たな生息地への予期せぬ影響など)をどれだけコントロールできるかということも考慮しなければならないため、実に緻密な判断が必要なのです。完璧にすることはできません。でも、時にはすぐに決断しなければならないこともあります。何十年もかけて考える時間はないのです」とミッチェル博士は述べる。
気候変動により生物を移入させるという方法には批判もあるが、成功すれば、他の危機に瀕した生物にとっても役立つ前例となるかもしれない。
※この記事は、一部AIを使用しています。
<参照リンク>
Endangered lizards, at risk of extinction due to climate change, surviving at secret site
翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部(一部AIを使用)