"Microsoft Bing Maps' datacenter" by Robert Scoble is licensed under CC BY 2.0.

 国連貿易開発会議（UNCTAD）は報告書で、デジタル化が世界経済の成長を後押しする一方で、環境への影響はますます深刻化していると述べた。

「デジタル化は高速で進み、人々の暮らしを一変させています。同時に、規制のないデジタル化は人々を置き去りにし、環境や気候の課題を悪化させる恐れがあります」と国連のアントニオ・グテーレス事務総長は報告書で述べた。

同氏は、デジタルツールへの依存の高まりが、原材料の枯渇、水やエネルギーの消費、大気汚染の蔓延、廃棄物の発生など、環境に直接影響を及ぼしていると警告した。

特にAIなどの新たなテクノロジーが、この問題をより加速させていると考えられている。

Googleは、2023年までの5年間で温室効果ガス排出量が48％増加したと報告した。これはAI運用をサポートするデータセンターへの電力供給によるものだという。同様に、Microsoftは、昨年の温室効果ガス排出量は2020年と比較して29％増加したと報告した。なお、GoogleとMicrosoftは、今世紀末までにカーボンニュートラルを実現することを誓約している。

UNCTADは、2024年のデジタル経済報告書で、デジタル経済が環境に与える影響の例を挙げている。

報告書によると、ICT（情報通信技術）部門は2020年に0.69～1.6ギガトンの二酸化炭素を排出した。これは世界の温室効果ガス排出量の1.5～3.2％に相当し、航空輸送や船舶輸送とほぼ同じであるという。

データセンターは2022年に460テラワット時の電力を消費し、2026年までに消費量は倍増すると予想されている。報告書によれば、アイルランドでは、データセンターの電力使用量が2015年から2022年の間に4倍以上に増加し、現在では国全体の電力消費量の18％を占めており、この数字は2031年までに28％に上昇する可能性があるという。

そして、最も有名な暗号通貨であるビットコインの「マイニング」と呼ばれる作業の世界的なエネルギー消費量は、2015年から2023年の間に約34倍に増加し、推定121テラワット時に達した。これは、ベルギーやフィンランドといった国全体をビットコインのマイニングが上回っていることになる、とUNCTADのレベッカ・グリンスパン事務局長は語った。

「デジタル化は世界経済の成長を促進するためには必要なものです。しかし、私たちはそれを包括的かつ持続可能な方法で行う必要があります」と同氏は結論付けた。

AIなどによる急速なデジタル化により環境問題への懸念が高まっている。適切な政策を実施することが、これまで以上に急務となっている。

 ※この記事は、一部AIを使用しています。 

 ＜参照リンク＞

UN warns digital economy drive damaging environment

翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部（一部AIを使用）