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日本で相次ぐ山火事、背景に温暖化の影響か

今年の2〜3月、岩手県大船渡市で約2900ヘクタールが消失する大規模な山火事が発生し、鎮火までにかなりの日数を要した。

現在は岡山・愛媛でも山火事が発生しているが、このような山火事や都市火災が世界中で増加している。

 

国際研究チームの調査によると、気候変動により都市火災の発生リスクが高まると予測されている。この研究では20カ国、2,800以上の都市における火災と月間最高気温が分析された。 

 

Nature Cities誌に掲載された研究では、地球温暖化により2100年までに車両火災が11.6%、屋外火災が22.2%増加する可能性があると判明した。気温が1度上昇するごとに車両火災は3.3%、屋外火災は6.9%増加すると推計された。

特にニュージーランドでは火災と温暖化の関連性が最も強く、4度以上の温暖化が進むと2100年までに都市火災が40%増加すると予測されている。

 

主導研究者のロン・シー氏は「今回の調査結果は現在の火災対策の不十分さを浮き彫りにした。火災の種類ごとに適切な対策がされなければ、火災による死傷者に加え、経済的損害を招くことになる」と語る。

 

 

毎年の火災による年間死亡者数は約5万人、負傷者数は約17万人と推定されているが、今回の研究では地球温暖化が進むと2020年から2100年にかけて死亡者は33万5000人、負傷者は110万人に達すると予測された。

しかし、温暖化が1.5度未満に抑えられれば、死亡者数は半減する可能性があるという。

 

 

研究の著者らは、この結果が燃料管理の改善など、火災との戦いにおける新たな戦略を開発する基盤になり得ると考えている。

 

都市部での将来的な火災発生頻度の傾向は不明瞭だが、都市火災は山火事などの火災と比べて人的被害や経済的損害が大きいことが多いという。

こうした事実はあまり知られておらず、地域の火災資源管理や都市計画に悪影響を及ぼす可能性があると研究者らは指摘している。

 

 <参照リンク>

 

Climate change is set to increase city fires around the world, according to new research

 

翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部(一部AIを使用)

 

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