“Forward to 1985”という“節電”スタイル

「節電」をすることって、なんか地味で、暗いって気がしますよね。でもでも、「黄金の80年代」と言われるあの頃に戻れば良いんだよって話もあるわけです。そんな生活を戻るために必要なことって何でしょう。一緒に考えてみませんか。

2011年

12月

15日

ローカルな工務店だってここまで出来る! エコワークス(株)の素晴らしいエコアクションの取り組み

80名近い住宅従事者が全国から集います
80名近い住宅従事者が全国から集います

12月に入り本格的に寒くなって参りましたね。

節電の“夏”から一気に節電の“冬”モードです。当たり前のことですが、冷房より暖房期間の方が長いし、長時間つまり総量も増えるのは当然です。夏場のようにピークが一極集中しない面はありますが、雪が降るようなかなり寒い日には朝方、夕方~晩にかけて集中するのも当然のことです。暖房にエネルギーがかかってしまう分、他のことで負荷をかけないような努力も必要ですね。

さて、今回は1985運動提唱者・野池政宏さんが2007年に立ち上げた自立循環型住宅研究会で毎年開催されるフォーラムがありまして、そこでは全国会員の中から立候補者が住まいつくりの様々な取り組みや性能や実験を検証しそれらを発表して優秀者を決める“アワード”なるものをやっています。

 

発表者・山下大輔さん
発表者・山下大輔さん

私も毎年参加して勉強しているのですが、今回最優秀賞を受賞した福岡・熊本で活躍する工務店・エコワークス(株)さんの取り組みはまさにForward to 1985 energy life運動のお手本中のお手本のような内容でしたので、同社より承諾を得て(一部個人情報はふせております)ご紹介させていただきます。発表者は同社山下大輔さん。

 

専用記入フォーマット
専用記入フォーマット

『【環境家計簿】を用いた住まいのエネルギー使用量把握とその考察』というタイトルで、同社が手掛けた家の家庭別に年間のエネルギー使用を直接出向いて拾ったり、電話等でヒヤリングしたりと、更に凄いことにそれぞれの住宅性能・特徴・暮らし方等々も加味した分析を行っています。更にスタッフ12組でアパート住まいの方や入社前に別会社で建てたスタッフのデータも比較の為に取っています。

 

全体統計表
全体統計表

12組アパート調査では・・・ ・1985運動の目標である50%消費エネルギー削減達成家族は4組。55%以下を含めると8組とほぼ7割近い達成率で55%組はちょっとの努力で間違いなくクリア出来ることがわかる ・家族構成も4人が1組、他は3人以下 ・オール電化0 ・消費量が多い2組とも在宅期間や暖房時間そのものが多い というような結果になり、当然ですが、エネルギー消費量はオール電化や家族構成・ライフスタイルにかなりの影響があるということです。

アパート12組統計表。アパートなのでオール電化は無し
アパート12組統計表。アパートなのでオール電化は無し
33組の戸建て住宅調査では・・・ ・50%達成が7組、約21% ・アパート同様オール電化住宅の達成者はPV(太陽光パネル)搭載者以外無い ・光熱費はガス世帯よりオール電化が安い傾向 ・断熱性能が高い世帯が消費量確実に下がる傾向にある ・71~100%が少なく、使う世帯、使わない世帯両極端 33組中4人家族のみを抽出・・・ ・14組中4組達成。達成率約3割 ・ここでも断熱性能高い世帯が上位 ・最大消費量の世帯は電気温水器+蓄熱暖房機設置 ・蓄熱暖房機は快適ではあるが、エネルギー的には最も×
ワークショップで山下さんチームになりお隣さんになりました
ワークショップで山下さんチームになりお隣さんになりました
発表内容はこれよりさらに詳しく多岐にわたり考察されていますが、ここでは割愛させていただきます。 同社はこれをベースにもっと多くのヒアリングをして自社の家づくりの向上と社会全体のエネルギー消費量抑制に貢献していきたいと高らかに宣言されていました。とても素晴らしい取り組みだと思います。 さすが、Forward to 1985 energy life秋の大集会で採択宣言を読み上げる大役を果たした小山社長の会社ですよね。

さて、ここからは私のお話しを。

今回のエコワークスさんの検証でもあったように、アパート等の集合住宅の断熱改修は間違いなく即効性があるということです。そもそもの延べ床面積も小さいし、真ん中の部屋なら両側の部屋が断熱材代りをしてくれるし、どう考えてもエネルギー効率は良いんですよね。

ちょっと外れるかもしれませんが、建築時の材料や工費も合理化されてとても効率的なんです。ドイツでは特にこの集合住宅の断熱改修に国をあげて力を入れている為、今では建築業界は新築よりもこうした断熱改修型のリフォームの方が圧倒的に高くなっているんです。

また、私の家もオール電化でつくってしまったのでエラそうなことは言えませんが、オール電化は間違いなく1次エネルギー消費を増やしてしまいます。確かに深夜電力で電気代は今のところ安くはなっていますが、これから先は間違いなく高くなるでしょうから、その部分は大いに考えなくてはならないでしょう。

それと、特に新築は性能が上がれば間違いなく消費エネルギー抑制になっているので太陽光パネルを搭載するよりもまずは箱の性能向上に予算を割いて、余裕があれば設備に向かって欲しいところです。

なんせ、万一エネルギーの兵糧攻めに遭ったら箱の性能が高い家の方が間違いなく生き延びる確率は高くなるわけですから! エネルギーを垂れ流しながら太陽光発電しても何も貯まりませんからね。母屋でおかゆを食べて、離れですき焼き食べちゃダメなんです^^

発表にあった71~100%のゾーンが少ないというのもすごく興味深い事実ですね。逆を言えばそのゾーン対策を何か考えればそれはそれで確実に向上することでしょう。このあたりはForward to 1985 energy lifeコアメンバー会議等々で知恵を絞らないとですね。

さぁ、節電の冬もみなさん力を合わせて乗り切って参りましょう\(^o^)/

≪資料協力≫ エコワークス(株) http://www.eco-works.jp/

PROFILE

吉田登志幸(よしだ としゆき)


有限会社オストコーポレーション北関東 代表取締役 

1970年1月2日生まれ。大阪府出身。明治学院大学経済学部商学科卒  1992年4月株式会社山善住設建材部入社 2001年4月同社退社、5月現在のスウェーデンの建材と自然素材商品に特化した販売会社を設立 2010年12月業界初格付け型住宅ポータルサイト素晴らしき地場ビルダーランド開設(自身もサイト内ナビゲーターをつとめる)

NPO法人イオルインターナショナル理事

一般社団法人クラブヴォーバン監事

自立循環型住宅研究会関東支部代表世話人

 

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2011年

12月

15日

ローカルな工務店だってここまで出来る! エコワークス(株)の素晴らしいエコアクションの取り組み

80名近い住宅従事者が全国から集います
80名近い住宅従事者が全国から集います

12月に入り本格的に寒くなって参りましたね。

節電の“夏”から一気に節電の“冬”モードです。当たり前のことですが、冷房より暖房期間の方が長いし、長時間つまり総量も増えるのは当然です。夏場のようにピークが一極集中しない面はありますが、雪が降るようなかなり寒い日には朝方、夕方~晩にかけて集中するのも当然のことです。暖房にエネルギーがかかってしまう分、他のことで負荷をかけないような努力も必要ですね。

さて、今回は1985運動提唱者・野池政宏さんが2007年に立ち上げた自立循環型住宅研究会で毎年開催されるフォーラムがありまして、そこでは全国会員の中から立候補者が住まいつくりの様々な取り組みや性能や実験を検証しそれらを発表して優秀者を決める“アワード”なるものをやっています。

 

発表者・山下大輔さん
発表者・山下大輔さん

私も毎年参加して勉強しているのですが、今回最優秀賞を受賞した福岡・熊本で活躍する工務店・エコワークス(株)さんの取り組みはまさにForward to 1985 energy life運動のお手本中のお手本のような内容でしたので、同社より承諾を得て(一部個人情報はふせております)ご紹介させていただきます。発表者は同社山下大輔さん。

 

専用記入フォーマット
専用記入フォーマット

『【環境家計簿】を用いた住まいのエネルギー使用量把握とその考察』というタイトルで、同社が手掛けた家の家庭別に年間のエネルギー使用を直接出向いて拾ったり、電話等でヒヤリングしたりと、更に凄いことにそれぞれの住宅性能・特徴・暮らし方等々も加味した分析を行っています。更にスタッフ12組でアパート住まいの方や入社前に別会社で建てたスタッフのデータも比較の為に取っています。

 

全体統計表
全体統計表

12組アパート調査では・・・ ・1985運動の目標である50%消費エネルギー削減達成家族は4組。55%以下を含めると8組とほぼ7割近い達成率で55%組はちょっとの努力で間違いなくクリア出来ることがわかる ・家族構成も4人が1組、他は3人以下 ・オール電化0 ・消費量が多い2組とも在宅期間や暖房時間そのものが多い というような結果になり、当然ですが、エネルギー消費量はオール電化や家族構成・ライフスタイルにかなりの影響があるということです。

アパート12組統計表。アパートなのでオール電化は無し
アパート12組統計表。アパートなのでオール電化は無し
33組の戸建て住宅調査では・・・ ・50%達成が7組、約21% ・アパート同様オール電化住宅の達成者はPV(太陽光パネル)搭載者以外無い ・光熱費はガス世帯よりオール電化が安い傾向 ・断熱性能が高い世帯が消費量確実に下がる傾向にある ・71~100%が少なく、使う世帯、使わない世帯両極端 33組中4人家族のみを抽出・・・ ・14組中4組達成。達成率約3割 ・ここでも断熱性能高い世帯が上位 ・最大消費量の世帯は電気温水器+蓄熱暖房機設置 ・蓄熱暖房機は快適ではあるが、エネルギー的には最も×
ワークショップで山下さんチームになりお隣さんになりました
ワークショップで山下さんチームになりお隣さんになりました
発表内容はこれよりさらに詳しく多岐にわたり考察されていますが、ここでは割愛させていただきます。 同社はこれをベースにもっと多くのヒアリングをして自社の家づくりの向上と社会全体のエネルギー消費量抑制に貢献していきたいと高らかに宣言されていました。とても素晴らしい取り組みだと思います。 さすが、Forward to 1985 energy life秋の大集会で採択宣言を読み上げる大役を果たした小山社長の会社ですよね。

さて、ここからは私のお話しを。

今回のエコワークスさんの検証でもあったように、アパート等の集合住宅の断熱改修は間違いなく即効性があるということです。そもそもの延べ床面積も小さいし、真ん中の部屋なら両側の部屋が断熱材代りをしてくれるし、どう考えてもエネルギー効率は良いんですよね。

ちょっと外れるかもしれませんが、建築時の材料や工費も合理化されてとても効率的なんです。ドイツでは特にこの集合住宅の断熱改修に国をあげて力を入れている為、今では建築業界は新築よりもこうした断熱改修型のリフォームの方が圧倒的に高くなっているんです。

また、私の家もオール電化でつくってしまったのでエラそうなことは言えませんが、オール電化は間違いなく1次エネルギー消費を増やしてしまいます。確かに深夜電力で電気代は今のところ安くはなっていますが、これから先は間違いなく高くなるでしょうから、その部分は大いに考えなくてはならないでしょう。

それと、特に新築は性能が上がれば間違いなく消費エネルギー抑制になっているので太陽光パネルを搭載するよりもまずは箱の性能向上に予算を割いて、余裕があれば設備に向かって欲しいところです。

なんせ、万一エネルギーの兵糧攻めに遭ったら箱の性能が高い家の方が間違いなく生き延びる確率は高くなるわけですから! エネルギーを垂れ流しながら太陽光発電しても何も貯まりませんからね。母屋でおかゆを食べて、離れですき焼き食べちゃダメなんです^^

発表にあった71~100%のゾーンが少ないというのもすごく興味深い事実ですね。逆を言えばそのゾーン対策を何か考えればそれはそれで確実に向上することでしょう。このあたりはForward to 1985 energy lifeコアメンバー会議等々で知恵を絞らないとですね。

さぁ、節電の冬もみなさん力を合わせて乗り切って参りましょう\(^o^)/

≪資料協力≫ エコワークス(株) http://www.eco-works.jp/

PROFILE

吉田登志幸(よしだ としゆき)


有限会社オストコーポレーション北関東 代表取締役 

1970年1月2日生まれ。大阪府出身。明治学院大学経済学部商学科卒  1992年4月株式会社山善住設建材部入社 2001年4月同社退社、5月現在のスウェーデンの建材と自然素材商品に特化した販売会社を設立 2010年12月業界初格付け型住宅ポータルサイト素晴らしき地場ビルダーランド開設(自身もサイト内ナビゲーターをつとめる)

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一般社団法人クラブヴォーバン監事

自立循環型住宅研究会関東支部代表世話人

 

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2011年

10月

11日

今夏の節電成績発表が出されました!

2011年夏、今後の日本の命運が決まる勝負の季節でした。その結果はご存じの通り、ピークオーバーはせず、東京電力にいたっては、東北電力へ電力供給できるほど。

 

朝日新聞9月15日の記事に総括分析されていましたので、これを見ながら今後の節電ことを考えて行きましょう。タイトル通り「業務部門が大きな役割。家庭の貢献は検証できず」とありますが、Forward to 1985 energy life運動の主役である家庭部門はあまり目立った活躍をしていないのかな?とも読み取れそう。

 

そもそも、1985運動の骨子は経済を冷やさず、消費エネルギーを半分に!ということで、産業部門はそのままのエネルギーを前提としながら、家庭部門・業務部門をそれぞれ半分に減らせば原発は不要になる。そこで我々は家庭部門をなんとか半分にしよう!と立ちあがったのです。業務部門はそもそもデータがあまりないし、いいだしっぺの野池政宏さん自身もそこに多くの見識は無いので、とにかく家庭部門となったわけですが、蓋を開けてみれば業務部門が目に見えて効果があったと。

それが記事にもある、例えばIKEA(私も大好きなお店です^^)船橋店では政府の要求15%削減より5%多い自主基準で臨み8月18日の東電管轄ピークでさえ27.6%削減を達成したそうです。しかも、ショウルームは従来のまま。他の部分で節電工夫をしたため、無理な節電ではなかったと。逆を言えばもっともっとぞうきんを絞れる可能性があるということです。

 

多くがIKEAのようになるかどうかはわかりませんが、この感じだと業務部門は案外半分達成は近いうちに出来るのかなとも思えます。あ、じゃ、このまま業務部門に頑張ってもらおう。。。ではなく!家庭部門も半分にすれば本当に原発がいらなくなるんですから、もうやるっきゃないですよ!!

さて、だんだん秋も深まり冬になってまいります。やはり、住宅の断熱改修や高気密高断熱住宅を建てる云々は私の本業中の本業ですが、まずは誰にでも出来る節電対策として、朝日新聞9月24日の記事で省エネセンターのグラフィックが載っていました。

 

やはり、最大の効果は「厚着」ですね。カーディガンを着ると体感温度で2.2℃、ひざかけ2.5℃、靴下0.6℃と。当たり前すぎる事なのですがこうやって数値化されると妙に納得しませんか。私も昨年からデビューしたヒートショックのシャツやモモヒキ?は本当にびっくりするくらい暖かく、もう手放せない大切なアイテムとなりました。

 

厚着が出来たら今度は『湿度』です。夏は大変嫌われ者の湿度ですが、冬はとても人気者です。冬は乾燥して風邪のウイルスも発生し易いので部屋を加湿したりしていますよね。そこで、加湿器をバンバン使ってしまうと本末転倒なので、電気を使わない加湿の方法もあります。

 

記事では湿度を15%上げれば室温が1度下がっても体感温度は変わらないとあります。湿度には相対湿度と絶対湿度があって、みなさんがよく耳にするのは“相対湿度”の方です。ここで、この定義に関するお話しは割愛させていただきますが、とにかく、感覚的に湿度をあげるんだ!と覚えておいてください。で、上げるには室内に観葉植物を置いて、霧吹きでこまめに水を与える。このとき選ぶ植物は葉っぱが多い方が効果的と言えますね。また、洗濯物を室内に干すだけでも相当な効果があります。であれば、濡れタオルを出しぱなしにするというのも有効的だということがわかりますよね。もっともっとアイデアはあるかと思いますのでおもしろアイデアはみんなで共有して行きましょう。

 

というわけで、今年の節電の冬もどうぞ宜しくお願い致します!

PROFILE

吉田登志幸(よしだ としゆき)


有限会社オストコーポレーション北関東 代表取締役 

1970年1月2日生まれ。大阪府出身。明治学院大学経済学部商学科卒 

1992年4月株式会社山善住設建材部入社。2001年4月同社退社、5月現在のスウェーデンの建材と自然素材商品に特化した販売会社を設立。2010年12月業界初格付け型住宅ポータルサイト素晴らしき地場ビルダーランド開設(自身もサイト内ナビゲーターをつとめる)。

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2011年

9月

21日

Forward to 1985 energy life秋の大集会参加して参りました

待ちに待った大集会へ。栃木の工務店・設計事務所5名とともに行って参りました。

 

名古屋市中区役所ホール500名を立ち見客が出るくらい呼ぼう!ということで、始まったイベントですが、一般の人500ではなく、建築従事者を500ということですからそれはそれは大変な仕事でした。しかし、当日は見事、立ち見客があふれんばかりとなりました。

運動の“いいだしっぺ”(提唱者と言わず、本当にこの肩書を使っているんですよ)野池政宏さんの底力とサポートする工務店・設計事務所等、コアメンバーのこの運動に懸ける情熱が素晴らしい実を結んだのだと思います。

第1部に野池さんの基調講演があり、参加者へこの運動の真の目的と解説、今後の展開を話し、

・現在の半分消費エネルギーを達成した家庭を“1985家族”と呼ぶ。

・その1985家族を多く排出した人を表彰する“つくり手コンテスト”も検討。

・近日中に一般の方向けにパッシブデザインの解説本とその後に1985運動の副読本的なものを出版する。

・1区市町村に1名以上の“1985地域アドバイザー”や“家庭省エネアドバイザー”認定等も積極的に進めたい。

・来年は東京で1000人規模、更に翌年は東北で5000人規模のイベントをやりたい。夢は武道館・東京ドーム!?

 

第2部は専門家を交えてのパネルディスカッションとなりました。メンバーは小林光氏(慶應義塾大学情報学部大学院教授、元環境省事務次官)、濱惠介氏(エコ住宅研究家、独立行政法人都市再生機構都市デザインアドバイザー)上岡裕氏(NPO法人エコロジーオンライン理事長)、三浦祐成氏(新建新聞取締役社統括編集長)、澤木久美子氏((株)アトリエ空一級建築士事務所)。

 

野池さんのコーディネートで始まり、

・小林さん・・・当時小澤環境大臣時に作成したロードマップのなかで、家庭部門の2050年ゼロエミ化はそんなに難しいことではない。温暖化懐疑論も出ているが、2100年には地球の温度は2度上がる(温暖化は間違いではない)。

・濱さん・・・「はじめましょう、家遊び」をモットーに自邸をエコハウスに改装して消費エネルギー抑制とその成果のデータを取り、しかし、生活を楽しみながらやることが長続きの秘訣。妻はそもそも原発エネルギーが嫌いだからこのエコライフを始めたようなものなので夫婦で楽しんでいる。賃貸住宅でもこういう家遊びをやるべき。

・上岡さん・・・会場の多くが理系だと思うが、数値でしっかり管理・表現することは当然重要。しかし、時短料理のカリスマ主婦が注目されているように、時事、情緒や雰囲気と言った文系的啓発も必要。例えば、エコライフプチスターをここから排出して、もっと広く多くの方に、チャレンジ25のように上からではなく下からもこの運動を知ってもらえるような活動を。

・三浦さん・・・どうしても専門的数字が踊り易く、一般の人には非常にわかりにくい。しかし、1985運動の消費ネネルギーを今の「半分」にするというミッションは誰でもわかるのでとても素晴らしい。“読者モデル”を多く募り、達成の成功例を多く伝えると良い。

・澤木さん・・・いみじくも1995年阪神大震災を経験して当時お腹の中にいた子供は今16歳。女性は子供を守るために真剣に努力するので、自分自身率先して半分を達成したい。今現在はものの見事に平均的家庭と同じ消費エネルギーだった。

最後に熊本から社員30名を引き連れて駆けつけたコアメンバーの一人(株)エコワークスの小山社長が大会宣言を高らかに読み上げ採択され終了となりました。

 

今夏の電力ピークも何とか乗り切りましたが、企業のサマータイムや休日変更の努力がかなり効奏したような感じもあり、まだまだ一般家庭のぞうきんは随分絞れるような印象があります。2025年なんて先と思っていても光陰矢のごとし、あっという間ですよね。大会は無事終了しましたがこれからが皆さんの真のチカラの見せどころです!とにかく楽しみながらエコライフを実現することが長続きの秘訣ですので、ともに頑張って参りましょう!

 

PROFILE

吉田登志幸(よしだ としゆき)


有限会社オストコーポレーション北関東 代表取締役 

1970年1月2日生まれ。大阪府出身。明治学院大学経済学部商学科卒 

1992年4月株式会社山善住設建材部入社。2001年4月同社退社、5月現在のスウェーデンの建材と自然素材商品に特化した販売会社を設立。2010年12月業界初格付け型住宅ポータルサイト素晴らしき地場ビルダーランド開設(自身もサイト内ナビゲーターをつとめる)。

一般社団法人クラブヴォーバン監事

自立循環型住宅研究会関東支部代表世話人

 

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2011年

8月

20日

「Forward to 1985 energy life秋の大集会9/17、残り1ヶ月を切りました

節電の夏、日本の夏。みなさまお暑うございます。


今年は梅雨入りが早かったので「秋入り」も早いのかなときたいしていましたが、そうは問屋も卸してくれなさそうですね。

 

でも、東京電力のピークはパンクせず、この調子で行けば完全に乗り越えられそうで、とてもとてもホッとしています。

 

・・・でも、油断は禁物。節電の夏は終わらないですよ!

 

始まる事もありました。今度のForward to 1985 energy life秋の大集会でパネリストとしてご登壇いただく、エコロジーオンラインの上岡裕理事長と主宰の野池政宏さんがついに出会いました!大集会打ち合わせとエコピープル取材を兼ねて、1960年生まれ、しかも誕生日も近い、偉大な二人が。偉大な二人を知る私としては、前々から会ってもらいたいと思っていましたので、この日一人で感動をしておりました^/^

 

やはり、想像通り会話も盛り上がり、上岡さんからは今後の色んな協力をもらえることもお話しいただいたので“一騎当千”の味方を得たようです。

 

そして、いよいよ1ヶ月を切りました秋の大集会!500名を満席にして立ち見を出そうと目標を立てています。しかし、この数字、やはり大きく、今現在のところまだまだ空席が目立ちます。この国民的大運動の盛り上がりを内外にアピールする為にも是が非でも“盛り上がってる”感を出さなくてはなりません。ということで、ご覧の皆様、是非Forward to 1985 energy life公式ホームページで参加ご登録を宜しくお願い致します。

 

メインプログラムのパネルトークのメンバーがほぼ確定しました。コーディネーターは主宰の野池政宏さん、そして上岡理事長、さらに小林光さん(元環境省次官・現在慶応大学情報学部大学院教授)、濱恵介さん(エコ住宅研究家、独立行政法人都市再生機構都市デザインアドバイザー)、三浦祐成さん(新建新聞社統括編集長)、そして、最後にまだ決まってませんが省エネ住宅に真剣に取り組んでいる建築士さんと豪華かつバラエティーに富んだメンバーがパネルトークをやります。どんな話題が盛り上がり、どんな化学反応が起こるか今からワクワクドキドキしています^^

 

これをたった500円ポッキリで見れるのですから安いもんだと思いますよ~。

 

というわけで、何度も恐縮ですが一人でも多くのご参加をお待ち申し上げております。

 

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2011年

7月

22日

フライブルクでForward to 1985 energy lifeを考えた!

 早いもので震災から4カ月以上経ちました。被災地ではまだまだ大変なご苦労をされている方が多くいらっしゃり、心よりお見舞い申し上げます。

 そして、我々Forward to 1985 energy life推進コアメンバーを焦らせた早い梅雨明け!今年だけは梅雨入りが早く、梅雨明けが遅くなってくれればな~と願っておりました。

 

 でもやはり、どう考えても異常気象。

 実は6月の28日~7月3日までドイツはフライブブルク市へ勉強に行って参りましたが、現地もやはり異常気象。ドイツも結構寒くて現地の方も「こんな夏は珍しい、異常気象だ!」と(強引ですか^_^;)。今回は若干Forward to 1985 energy lifeと異なりますが、実に重要な意義があると思いますので、ドイツの話をば。

 

 ご存じエコロジーオンライでフライブルクレポートを執筆しているドイツ在住環境ジャーナリスト・村上敦さんは一方で一般社団法人クラブヴォーバンのファウンダーでもあります。ちなみに、このクラブヴォーバン(以下cV)はこのエコロジーオンラインから生まれた組織でもあるのです。で、cV企画の環境を勉強するツアーに参加させていただき、特にドイツ住宅政策の素晴らしさに感動致しました。

 

 ここではその詳細は割愛させていただきますが、太陽光パネルや高性能設備に頼る日本メーカーのメカメカ政策にはずっと違和感を感じていまして、それよりも何よりも箱としての家の性能を高めること、それによるコストアップをある程度バックアップしてあげること、そういうことを政策でもって誘導しなくてはならないのだと思ってきました。どんなに素晴らしいメカでも半永久的には続きません、いつかは壊れます。しかも、結構短命。ある有名なメカに至っては、構造が複雑かつメーカーのノウハウということでブラックボックス化されていて、ちょこっとの故障でも全部交換!ということも多々あるんです。

 そういうメカに頼り切った家づくりや政策は所詮メッキで、近い将来にはがれてしまいます。そこで、ドイツ。この国では4年に一度の大きな住宅性能基準改訂があり、2年でマイナーチェンジもあります。もちろん、年々レベルアップされるわけですが、工務店やプレハブメーカー、また資材関連メーカー各位が4年後の改訂に合わせる形で企業努力をし、法律通り、いや、競争優位に立つ為それ以上の性能をつくりあげるのです。

 

 一旦、性能レベルの高い家をつくれば、かなりのエネルギーロスが抑えられるので、メカの故障があろうがなかろうがハイレベルな節電(エネルギー全般)もだまってなされるわけなんですね。村上さんは常日頃、環境意識はドイツ人よりニッポン人の方が高いとおっしゃっています。ドイツ人は法律や規律で決まっているから粛々とそれに従っているだけで(もちろん、一般論です)、ニッポン人はほぼ善意から実行している人が多いと。

 Forward to 1985 energy lifeは6,000万戸近い住宅ストックの消費エネルギーを半分にしましょう!という大運動なのですが、まずはこれから建てられる住宅に関してドイツ並みとは言いませんが、かなりハイレベルな断熱・気密基準を課せば莫大なエネルギー浪費を抑える事が可能になると思います。また、何が何でも新築では無く、既存の住宅をしっかりとした断熱・気密リフォームをすれば、エネルギーの問題はもちろんのこと、夏涼しく、冬温かい家に生まれ変わるのです。特に、あたたかい家は健康面にも非常に効果があると数々の書物やTVでも紹介されています。近畿大学・岩前先生のレポートが最もわかりやすいですね。ついでに私のホームページでも覗いて頂ければ・・・。

 というようなことから写真でドイツの住宅の断熱性能はどんな構造でやっているかを少しご紹介いたします。ま、ここでも詳細は割愛させていただきますが、断熱材の種類・厚み・量、サッシ等の開口部どれをとってもすっごいです!でも、中でもドイツ住宅各ランクの最高峰、“エネルギープラスハウス”は年間のエネルギー使用量よりも生み出すエネルギーがプラスの性能なんですね。化石燃料が枯渇してしまっても、この家に住んでいれば冷暖房機無しで、TVも見れるしインターネットも出来、お風呂に入れ、食事も作れる。ある意味シェルターと言っても過言ではありません。

 ニッポンでここまでの性能をつくるとなると相当なコストアップは必至です。だからこそ、こういう家に補助金や助成金、銀行は優遇融資するような枠組みは必要不可欠なんです。ま、その辺はこのコラムの担当外なので^_^;

 

 これから新築・リフォームをお考えの方は、まず、じっくりこの辺のところをしっかり勉強して実行に移して頂きたいと思います。

 

 

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吉田登志幸(よしだ としゆき)


有限会社オストコーポレーション北関東 代表取締役 

1970年1月2日生まれ。大阪府出身。明治学院大学経済学部商学科卒 

1992年4月株式会社山善住設建材部入社。2001年4月同社退社、5月現在のスウェーデンの建材と自然素材商品に特化した販売会社を設立。2010年12月業界初格付け型住宅ポータルサイト素晴らしき地場ビルダーランド開設(自身もサイト内ナビゲーターをつとめる)。

一般社団法人クラブヴォーバン監事

自立循環型住宅研究会関東支部代表世話人

 

 

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2011年

6月

23日

Forward to 1985 energy life説明会&コアメンバー作戦会議出席して来ました

 6/13、『Forward to 1985 energy life』に関して、工務店、設計事務所等、プロの仲間への詳細説明が東京で行われました。当日、提唱者・野池政宏さんが詳しく内容を解説してくれました。

 

「昨今の政府の動きや産業界や周囲を見ても少し違和感を覚える」

と語る野池さん。

 

「太陽光パネルを中心とした再生可能エネルギーの普及促進はとても大事。でも、根本的には消費エネルギーをいかに減らすかという議論が真っ先に来ないといけない!」と。

 

 わたしも全く同感です。

 1000万戸の屋根に太陽光を!とかソーラーパネルベルトとかすごく華々しく聞こえますが、どこか“臭いものに蓋”的ニオイがしてなりません(結構うまい表現だと思いません??)。臭い原因を除去すればいいのに、そこは華々しい話で蓋をしてしまっていて、これではいつまでたっても臭いの解消にはならない気がします。トイレ掃除をせずに毎月消臭剤を買っては捨てて・・・。ま、その辺の話はこれくらいにして。

 

 ということで、まずはやはり「省エネ!」なのデス。

 運動の大前提は経済活動を停滞させずに実施する省エネ。これを実現するためにまずはWebの取り組みを行います。前回の連載でご案内した各家庭の省エネ達成カードをつかったコミュニケーションで1,000万世帯の達成が目標。また、これとは別に、“賢い消費”をすすめるべく、省エネ500円コース、1,000円コース、10,000円コース、20万、100万と言ったように、大よその金額カテゴリーで可能なアドバイスもしていくとのことです。

 

 Web上では説明がしにくい専門的部分を地域の工務店・設計事務所・流通等々の人たちが担い、各市町村に1名以上の“地域リーダー”をつくり、周囲を引っ張っていって欲しいとのこと。特にリフォームにおける断熱改修や新築時の設計相談が重要で、ここをおざなりにしてしまうと本も子も無くなってしまうのでとても重要な役割だと思います。

この活動は同時期に業界向け雑誌に取り上げられ、プロ側の働きかけはかなり浸透してきたように思いますが、一般の方向けにはまだまだ。1,000万世帯をクリアするのは遥か遠くの話。是非ともこれをご覧の方には周囲にこの運動をご紹介いただければ幸いです。


 9/17に名古屋で500名を集めての大決起大会に合わせ、一般の方向けの“エコスマートライフ読本”のようなものも発刊するとのこと。ご期待下さい!

 

 また、運動の専用ホームページも徐々にではありますがバージョンアップを重ねて参りますので要チェックでお願い致します。


“Forward to 1985”という“節電”スタイル

 

PROFILE

吉田登志幸(よしだ としゆき)


有限会社オストコーポレーション北関東 代表取締役 

1970年1月2日生まれ。大阪府出身。明治学院大学経済学部商学科卒 

1992年4月株式会社山善住設建材部入社。2001年4月同社退社、5月現在のスウェーデンの建材と自然素材商品に特化した販売会社を設立。2010年12月業界初格付け型住宅ポータルサイト素晴らしき地場ビルダーランド開設(自身もサイト内ナビゲーターをつとめる)。

一般社団法人クラブヴォーバン監事

自立循環型住宅研究会関東支部代表世話人

 

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2011年

6月

08日

Forward to 1985 energy lifeオフィシャルページが出来ました!

Forward to 1985 energy lifeのオフィシャルページが完成しました。

 

前回のコラムで知らせした、全て+αが、より分かりやすく記載されていますので、是非、ご熟読いただきたいと思います。その中でも、最も簡潔に分かりやすく説明されたポスターがあります。これを大きくプリントアウトして、一番目立つ所にビシッと貼っていただくと、とてもうれしいです!

 

うれしいついでに言えば、経産省が協賛企業と組んで、7-9月消費電力の15%カットを目指す、東京電力&東北電力管内での各家庭に、「参加賞」や「達成賞」をプレゼントをすることになりました!

 

LED照明やクールビズなどの節電関連商品の割引券、電力使用を抑えるため外出を促す映画館などのチケットや旅行券、東日本大震災の被災地支援につながる東北地方産品などを賞品として検討しているようです。(詳しくはこちらの記事をご覧ください。)

なんと、お得な節電情報はこれだけじゃありません。

 

イオングループでは、7月に節電15%を達成した家庭へワオンカード200円分をプレゼント。東京荒川区でも7月分の電力使用量から、20%削減を達成した全世帯に、節電グッズや防災グッズをプレゼントすると言います。

 

なんとまあ、いろんな特典が続々と企画されていますね。

そのうち節電特典のポータルサイトなんかも生まれるかもしれない。。。

 

本来は特典がなくてもオールジャパンで取り組まなくてはいけない節電ですが、無いよりはあった方がいいに決まってますもんね(^_-)

 

そういう意味では、15%なんてケチくさいこと言わずに、30%、40%を達成した家庭に、もっとすんごい特典をくれる所が出てくればさらに燃えます!少なくとも我が家はやりまっせ~!(^^)!

 

他人にやらされてる感じより、自らチャレンジして勝ち取る喜びを期待して臨む方が、やっぱいいですから!

そんななか、本家本元の環境省が何をやっているかと言えば、“CO2見え~るツール”というサイトを立ち上げてがんばってます。昔からこういうほのぼの~とした文系的アプローチが得意だった同省。今回もとてもほのぼの~としたものをつくってくれました。

 

それが、これ。 環境省らしいでしょ^^

 

 

おもしろいのが、“くらしのみえ~る”として、それぞれの日常生活における行動改善でどれくらいの節電が期待出来るかと、その根拠まで教えてくれること。

 

こんな風にひとつひとつに理由がわかるとモチベーションアップにも繋がっていいです。

 

さらに、家電のみえ~るとして、今使っている家電の中でもエアコン、テレビ、冷蔵庫、照明、4大項目の購入年やメーカー、品番を入れるとポン!と消費電力を計算してくれます

 

我が家の結果をみると一目瞭然!

冷蔵庫が1999年製と古いのでほとんどそれが電気使用量大食いの主犯です。照明はもともと省エネ蛍光タイプを選んでいましたが、LEDあたりに変えるとそこでも削減出来るということですよね。その辺は節電仲間の辻川さんのコラムをご参照ください^^

 

我が家の場合、テレビは1~2時間ぐらいしか見ないし、エアコンに至ってはほぼ0時間ですので、その辺は非常に優秀なんじゃないかな~と。

 

さて、いよいよ来週13日は、Forward to 1985 energy lifeコアメンバーによる第1回作戦会議です。もちろん、私も参加させていただいて、少しでも貢献出来るよう色んな情報をつかんで来る所存であります。どんなメンバーが勢ぞろいするか今からとてもワクワクもしております。

 

ではでは、来週はそのレポートをお届けいたしま~す。

 

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2011年

5月

26日

“Forward to 1985”をご紹介します!

 はじめまして!この度このコラムを担当させていただきます(有)オストコーポレーション北関東の吉田と申します。一応、簡単な自己紹介をさせていただきます。

出身地は大阪府吹田市で高校3年までいまして、その後、関西大学受験に失敗し、タマタマ受かった明治学院に浪人がイヤで入学。この選択が幸か不幸か人生の岐路だったような・・・。おっと、この話をすると長くなるので詳しくはコチラへ^_^;

 

 あの未曽有の災害から2カ月以上が経ち、福島第一原発はまだまだ予断を許さない状況です。そんな中、朗報といえば、浜岡原発停止宣言という嬉しいニュースですね。まだまだ、原発が必要だ!なんて動きがあった“切っ先を交わす”良いタイミングではなかったかと。

 

 でも、今度は中部電力に供給余力が無くなる為、東京電力へは当然まわせなくなります。

「じゃー、夏場の電力ピークどうすんだよー」って必ずなりますよね。「節電頑張って何とかするよ―」って、言うは易し行うは難し。

でも、賽は投げられたのです。やるしかないんですよね。ただ、やみくもに節電!節電!!言ってもあまり具体的じゃないので始まったのがこのコラムタイトルの“Forward to 1985 energy life”という節電スタイルなのです。

 

ん?1985年に戻るの?戻るのならBack toじゃないの?もしかして阪神優勝の夢??(因みに当時高一)。

 

これは私が所属している自立循環型住宅研究会(自然エネルギーをうまく利用した設計と独自の技術を駆使することにより2000年の一般住宅と比べて消費エネルギーを50%削減しましょうという国交省から出されたガイドラインブックを勉強・実践する会)主宰の野池政宏氏が提唱しました。

 

タイトルの簡単な説明として

1、ニッポンの原発を止めても停電にならない節電割合は約21.6%

2、このエネルギー消費量が1985年あたり

3、じゃ、1985年に戻ればいいんだ

4、でも、戻るって言葉あんまり好きじゃないんだよね。

5、これから新しいチャレンジをするという意味でForward!

 

というような所から生まれ、これをニッポン国民大運動にしたいということでスタートしました。

私もこの運動には大大大賛成でしたので大いに色んな方に発信すべく、このコラムにもそういう熱い思いを込めて参加させていただいています。そしてこのコラムではこの運動の進捗状況をレポートさせていただき、分かりにくい部分は吉田フィルターではありますが咀嚼しながらご説明を致します。

で、早速解説です。具体的にピーク時カット20%をどうやればいいかということですが

産業部門は個々に以前から頑張ってもらっていて過度な節電が経済を冷やす可能性もあることから、野池さんが色々データを探っていた所、家庭部門とオフィスや飲食といった業務部門がそれぞれ頑張れば達成できることがわかりました。

 

計算根拠はこんな感じです。

 

1、2007年の原子力発電量・・・952PJ(単位;ペタジュール)

2、2007年家庭部門電力消費の50%・・・522PJ

3、952-522の残り・・・430PJ

4、2007年業務部門電力消費・・・995PJ

5、残り分430PJをカバーする為の必要カット数字・・・995-430=565PJ

6、業務部門の節電割合・・・565÷995=56.8%

 

ということで、家庭部門50%と業務部門の56.8%をカットすれば原発なしの電力ピークもクリア出来ると言う計算です。(詳細数字

 

そこで、各家庭がどれくらいの目標設定を立てて、具体的にはどの辺の部分をカイゼンすれば達成できるか?ということを実例を挙げてご説明したいと思います。

 

具体例として提唱者・野池政宏氏のご家庭と我が家の数字を見て行きましょう!

 

比較するのは2009年度1年間の電力使用量&エネルギー使用量です。

野池家は大阪府・3人家族都市ガス・灯油使用。

吉田家は栃木県・4人家族・ALL電化。

 

さ、野池家VS吉田家対決はいかに!?

ということで、野池家は1985年にならなくても2009年ですでに50%以下を達成しています。サスガ!。我が家はやはりALL電化ということで134%と、50%どころか余計ワルなってるやん・・・(>_<)

 

あ、太陽光発電4.91kw搭載してますが、これは自家発電分を考慮されている数字なので電力を使用しているのは事実として受け止めなくてはなりません。もちろん、売電額も多いのは多いのです。一応2007年から我が家の環境家計簿をつけておりますのでご興味ある方はコチラを

 

で、今更ALL電化をやめるわけにも行かないのでこの数字をいかに減らすかということになります。そこで、自立循環型住宅研究会で入手できるプログラム・エネルギー評価ツールの実績を見ながら検討して行きます。

 

まずは数字から↓↓↓

標準値95.56GJの50%は47.78GJ

 

我が家の設計値89.82GJで94%とほとんどダメです。

“エコキュート”でなくて“貯湯式電気温水器”を使用しているからでこれをエコキューに変えるだけで一気に48.14GJにまで下がり50.3%とほぼ達成してしまいます。詳細はこちらをご覧ください。

(このプログラムに興味のある方は私か、お近くの自立循環型住宅研究会会員へ)

「お前そんだけ50%っていってんだからエコキューに交換しろよ!」

ってつっこまれそうですが、これには一応理由があるので今のところは勘弁してつかーさい(ま、金も無いけどね^^)。

 

じゃ、あとはどこをどうするか?となると、家電・照明あたりになります。

特に我が家のバヤイ冷蔵庫ですね。これが1999年モデルなのでこれを最新のにすれば相当イケルんだと思います。

 

こんなことなら家電エコポイントで買っておけば良かったと・・・悔やんでも悔やみきれない自責の念で一杯です((+_+))

 

そして、お金が無い我が家は今でもエコセコ生活してますが、更に雑巾を絞るがごとくのスーパーエコセコにするしかありませんよね。

 

今、ちょっと実験してるのが電気温水器の輪番運転。これは、1日おきにお湯をつくるように、お休みボタンを押して意図的に休止させます。今ぐらいの時期から10月くらいまでならこれをやっても問題ないのかなと。ただ、毎回ボタンを押すので忘れないようにしないといけませんし、間違って2日以上休止してしまうとお湯が完全に無くなってしまいますのでそこは気をつけなくてはいけません。

 

で、野池構想としては各家庭がWeb上で地域の目標数字が拾えて、設定して送信すれば全国のこのForward to 1985 energy life運動参加者の世帯数とチャレンジ数値が把握できるようなホームページをつくりたいとのことです↓↓↓

きっと、野池さんならつくると思います。もし難しい場合はエコロジーオンラインのスペシャリストにお願いしてプログラムを作成していただければ。。。(^^

その時は是非是非みなさんもチャレンジしてみて下さいねー!つづく。

 

 

PROFILE

吉田登志幸(よしだ としゆき)


有限会社オストコーポレーション北関東 代表取締役 

1970年1月2日生まれ。大阪府出身。明治学院大学経済学部商学科卒 

1992年4月株式会社山善住設建材部入社。2001年4月同社退社、5月現在のスウェーデンの建材と自然素材商品に特化した販売会社を設立。2010年12月業界初格付け型住宅ポータルサイト素晴らしき地場ビルダーランド開設(自身もサイト内ナビゲーターをつとめる)。

一般社団法人クラブヴォーバン監事

自立循環型住宅研究会関東支部代表世話人

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