シベリアイタチ / Siberian weasel
シベリアイタチってどんな動物?
別名:タイリクイタチ、チョウセンイタチ、コウライイタチ
在来種のニホンイタチと似ており、西日本の方でもたびたび目撃されるので、在来種と思われがちですが、彼らはれっきとした外来種です。
ニホンイタチに比べて体は一回り大きく、長い尾が特徴です。
環境省より、ニホンイタチとシべリアイタチ(チョウセンイタチ)の見分け方の解説が出ています。
体長は、オスが28-39cm、メスが25-31cm
尾の長さは、オスが16-21cm、メスが13-16cm
体重は650-820g、メスが360-430gです。
オスの方がメスよりも大きく、オスの体重はメスの体重の2倍もあります。
ミャンマー北部、ラオス、北朝鮮、パキスタン、ネパール、インド、ブータン、ロシアの一部、台湾、タイ北部、西日本など広範囲に生息しています。
冬の毛皮はとても密度が高く、柔らかくふわふわです。そのため、毛皮を目的に乱獲されることがあります。
毛皮業者により日本へ持ちこまれたシベリアイタチが逃げ出したり、ネズミ駆除のために放たれたりしたことなどにより、西日本を中心に分布を広げています。
夜行性で、木に登ったり、水の中を泳ぐこともできます。
ネズミなどの小型の哺乳類や鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫、木の実、果実などを食べます。
一夫多妻制で、野生での平均寿命はおよそ1.9歳。とても短いですね。
どうして絶滅危惧種になってしまったの?
ロシア(シベリア地方)ではコリンスキーと呼ばれ、尾の体毛が高級な筆の原料として使われることがあります。
分布域が広いため、種としての絶滅の危険は低いとされていますが、乱獲や生息地の破壊、交通事故などにより生息数が減っている地域もあります。
日本では、対馬のシベリアイタチは2020年3月に絶滅危惧種に指定されています。
絶滅危惧種だけど、侵略的外来種ワースト100入り
絶滅の危機に瀕している地域がある一方で、対馬以外の日本に生息するシベリアイタチの数は増加していると考えられています。
シベリアイタチは、家畜や農場への被害、家屋への侵入、騒音被害などの問題を引き起こす厄介な存在でもあり、地域によってはその被害も増えているため、日本の侵略的外来種ワースト100に指定されています。
侵略的外来種とは、外来種の中でも、地域の自然環境や生物多様性を脅かすおそれのある生物のことです。
絶滅危惧種でもあり、侵略的外来種でもあるシベリアイタチ。
そのどちらも、原因には人間が関わっています。
さらに、2022年11月には、シベリアイタチとニホンイタチの親から生まれた雑種が高校生により発見されています。
これまでシベリアイタチとニホンイタチは、染色体の形状が異なり異種交配はできないと考えられていたため、大発見だと言われています。
福井の高校生によるイタチ研究「定説覆す大発見」 在来種と外来種の交配を指摘、林野庁長官賞(福井新聞)
コピー・イラスト / kawe
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