映画『ツイスターズ』は1996年の『ツイスター』の続編で、ハリウッドの大ヒット作を目指しているが、気候危機への意識を高める機会を逃していると批判されている。調査によると、過去の多くの映画が気候変動を描いていない。『ドント・ルック・アップ』などが例外として注目されるが、ハリウッドは政治的メッセージを避ける傾向があり、気候変動のストーリーが取り上げられることは少ない。映画業界には、娯楽と教育を両立させる作品の必要性が求められている。
気候危機が叫ばれるなか、私たちの意識は二酸化炭素にばかり向かいがち。植物が光合成をして生み出す酸素がなければ私たちは生きていけません。
その酸素の約6割が世界の熱帯林によって生み出されています。南米を代表する熱帯林のアマゾンはその1/3以上を占めているため「地球の肺」と呼ばれます。熱帯林が存在しなければ私たちは息をすることにも苦労することになります。
そのアマゾンに危機が迫っています。一つの原因は昨年秋から続いてきた気候変動による干ばつです。アマゾン川の本流支流を含めて120年ぶりの渇水を体験してきました。雨が少ないために熱帯林の木も土も水分を保つことができません。そのために熱帯林の干ばつがより厳しいものになり、環境破壊に対しても弱くなり、森林火災などがおきやすくなっています。
イギリス気象庁が今年の世界の平均気温が過去最高を記録すると発表。2024年はさらに暑くなることが予想され、パリ協定の目標となっている産業革命後の気温上昇は1.5℃を越える可能性があることを指摘している。
この高温の背景にあるのは2023年から始まった熱帯太平洋のエルニーニョ現象であるが、ここまで高温が頻発する背景には人為由来の温暖化が大きく影響している。
2023年の気温上昇は1.5℃を下回る程度(10月の段階で1.4℃)だが、来年は1.34℃〜1.58℃(中央値で1.46℃)で推移すると予想されている。
世界の平均気温は一般的に10年で0.2℃上昇すると言われる。パリ協定で決められた1.5℃は複数年の平均であるため、1.5℃を超える年があったとしても目標を失うということには直結はしない。
しかし単年度でも1.5℃を越える時代に入ったことの不気味さは否定できない。気候危機の未来はすでに数10年前から予測され、そのシナリオ通りに動いている。このメッセージを世界のリーダーたちはどう受け取るのか。いつまでも逃げ切れるわけではない。
地球温暖化によって北半球の夏には大規模な森林火災が起こることが多くなった。現在、カナダを大規模な森林火災が襲っており、地球は「火の世紀」に入ったと宣言する研究者も出てきている。
これまで北米の森林は自然のサイクルを保って火災を起こして更新を繰り返してきた。自然を開発することで、人間の暮らしが森林に近づき、起こるべき森林火災を防いできた。少しづつ森が燃えていればそこが緩衝地帯となって延焼を防ぐ。緩衝地帯を失った森林は地球温暖化によって乾燥が進み、燃料庫のような存在になった。そのために森林火災が起こると手のつけられない状態になる。何度かこうした火災に襲われた森林は再生せず、サバンナのような状態になると指摘する研究者もいる。CO2を吸収する森林が失われ、温暖化がさらに進んでいく。
地球はすでにいくつかのティッピング・ポイントを越えてしまったのではないかと訴えた論文が話題になっている。
Exceeding 1.5°C global warming could trigger multiple climate tipping points
ティッピング・ポイントは、そのポイントを越えると不可逆的に進行し、勝手に事態が転がってしまう地点を意味する。一つの事態がティッピング・ポイントを迎えることで、他のティッピング・ポイントが連動する可能性もあるのだ。
今回の論文で研究者たちは、新たにわかった古気候や観測のデータ、気候モデルを基盤とする研究をもとにティッピング・ポイントを見つめなおし、新たに提案されたティッピング・エレメント(不可逆的に変化する事象)を加え、気候変動に関連する事象などの検証を試みている。
その結果、ティッピング・ポイントを越えた可能性がある事象が5つ見つかった。
北極や南極、赤道地方に大きな変化をもたらすと言われる地球温暖化だが、すでに起きている温度変化によってグリーンランドの氷を今のまま保つことができないことがわかった。今すぐにすべてのCO2排出を止めたとしても海面上昇は27.4cmとなり、2012年のような高温が続くとするとその3倍の上昇につながると報告している。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が予測したグリーンランドの氷の融解による2,100年までの海面上昇は10cm~15cm。今回の調査で重視したのは、気候変動で雨が多く降るようになり、グリーンランドの氷の表面がとけ、氷河の移動が激しくなったことと、鉱物ダストやブラックカーボン粒子、微生物細胞の繁殖などによってグリーンランドの氷が太陽の光を吸収しやすくなり、より多くの氷が溶けだしていることだった。
ホッキョクの氷が減少すると「地球温暖化」が加速すると言われている。
氷によって反射していた太陽光を露出した海水が吸収し、ホッキョクの海水温が上昇する。その結果、地球の温暖化が進んでいく。
そういう意味では今年のホッキョクは安定している。過去10年と比較して氷の面積が最も充実しているのだ。
だが、この状態がホッキョクの海底に眠るメタンを大量に排出させると懸念する声がある。
中国が60年ぶりの熱波に襲われている。
南西部を中心に多くの都市が40℃を突破。干ばつも同時に発生し、河川の水位が低下して水力発電量が減少。エアコンの需要によって電力供給がひっ迫し、四川省では省内の工場に対し、6日間の操業停止が命じられた。
四川省は半導体や太陽光発電の世界的な供給地であり、各国の経済への影響が懸念されている。
こうした中国の異常な熱波に関してエアロゾル粒子のマスキング効果が失われたことが原因の一つではないかという声がSNSで話題になっている。
7月16日に開催した日本植生株式会社平田賀彦さんのお話をYoutubeにアップしました。
異常気象が当たり前になりつつある日本。
土砂災害の成り立ちについて学ぶことはとても大切なことです。また、災害の後の復旧施工方法なども勉強になりました。
昨年、エコロジーオンラインと作家事務所のダレシアが協力してクラウドファンディングを実施した楽曲のCDができあがりました。
タイトルは「マダガスカル みらい ~森の歌をみんなで歌って踊ろう!」です
アフリカで活動するIYCOさんのボーカル、コーラスにはマダガスカルの7人制女性ラグビーチームの皆さんと、ホストタウンである郡上市の子どもたち、森を守るメッセージはマダガスカル人のフェトラさんが担当しました。